まなびを自由に!Edutech起業家のブログ

「ストリートアカデミー」の話とかキャリアの話とか起業の話とかアメリカの話とか

福岡でストアカ x TSUTAYA = 地方創生の鍵

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1年半ぶりのブログ記事。元々「継続は力なり」みたいなことは得意ではないのですが、さすがに3日坊主の自分には呆れますね(笑)。ブログに関してはもうあまり気にしないことにしました。伝えたいことが無いのに義務感にかられて書いても意味のある内容は書けない。「今絶対これを伝えなきゃ!」と思ったときにだけ筆をとる、それでいいんじゃないかと。

 

 今回は先週末福岡でストアカとして公式開催したイベントで出会った方々に個人的に強く感じるものがあったので、それについて書くことにしました。

結論から言うと、今日本の地方創生に必要なものは個人による起業の活性化で、それを後押しするものは、ずばり「スキル」と「インスピレーション」なのではないかってことです。

 

1/23 ストアカ公式講座を福岡スタートアップカフェで開催

f:id:ajikko26:20160123141924j:plain福岡は、最近何かと話題になっているスタートアップカフェで、ストアカ x TSUTAYAのコラボでビジネス講座シリーズの第2回目となる「プレゼン資料作成入門」を開催した。講師は元戦略コンサルタントで、ストアカで開催している本格的な資料作成講座が大人気の松上純一郎氏

 

共催パートナーのTSUTAYA BOOKSTORE TENJINは、全国のツタヤ店舗の中でもビジネス書の売上がダントツに高い店舗なので、前回のインバウンドマーケティング入門に続いて、2回目も実務的なビジネススキルを学べるという切り口をテーマに。

 

TSUTAYAさんによるチラシ効果が効いたのか、コンテンツが希少性高かったのか、理由はともあれ当日は結構な活況ぶり。総勢25名前後で、この日は福岡の観測史上40年に一度の寒波予測ということで大雪警報が出ていたのにもかかわらず、当日キャンセルは1名のみ。

 

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のっけからガチ度高そうな雰囲気だな〜という感じでしたが、開始後も活発な質問と白熱したやりとりが相次ぎ、オブザーブしいた僕にも会場の熱気はムンムン伝わってきた。この極寒の中でのこの熱量と貪欲な学習意欲、凄かったです。

 

もちろん、東京では5時間 x 2日間で29,000円の講座の凝縮版を2時間、2,800円で受けるというコスパ的な価値はあるんだろうけど、東京よりもガチ度が高そうな意欲と意識レベルがやっぱり不思議だったので、講座後の懇親会で参加者の方々と交流して積極的に話を聞いてみた。

 

すると、この福岡の受講者層のバックグラウンドが、幾つかの点において東京のストアカの受講者とは違うということがわかってきた。 

 

福岡で出会ったハングリーな起業家のプロフィール

まず一つは、会社勤めの方よりも、起業・独立している人、あるいはそれに向けて準備しているが多いこと。個人的な印象は参加者の8割位。勿論これはスタートアップカフェという場所柄もあるかも知れない。

 

そしてこの方々の「起業」の定義は、東京の"スタートアップ"層とはまたちょっと違う。

彼らは福岡や長崎や熊本に住んでいて、年齢で言うと30代から50代と幅広い。

各々何らかしらの仕事を10年とか20年やってきて、何かふとしたきっかけで、或いはずっと暖めていた想いが募ったりして、雇用を前提とした変化と自由のない環境に満たされなくなり、一歩を踏み出した。

 

東京に多いITで世界を変えることを夢見る若者とは違って、彼らは孫正義とかマークザッカーバーグとかを目指しているわけじゃない。

彼らはもう少し自分と向き合って自身の強みと課題を分析した上で、それらを活かした形でやりがいと収入の両立を目指している。

僕が話した方々がやっている事業でいうと、アロマテラピスト、研修講師、おもちゃ屋さん、絵本を自作してネットで販売などなど。

いわゆる「身の丈起業」とはこういうことなんだろうなと。

 

でも彼らのストーリーには東京のスタートアップ達と同じ位の夢と希望がある。

各々の人生において、会社で人事異動が起こるとか、地域に新たな企業が進出してくるとか、行政が何かしてくれるとか、環境が変わることを期待しても、自己実現にはたどり着かないという結論に至り、自分と家族(夫婦で起業されていた方も多数いらっしゃった)が持っている資産と経験を棚卸し、色々考えながら一歩を踏み出している人が多い。

 

「ビジネススキルが学べる」機会がもたらす価値

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話していてなぜ彼らがそんなに積極的にストアカで学ぶのかが少し分かってきた。

 

彼らは人生経験が豊富だ。もう学校に通う年じゃない。

それでも起業すると全て自分でやらないといけない。営業、マーケティング、分析、財務管理、資金繰りなど、やったことがないことに直面する機会が増える。

全てトライアルアンドエラーで学ぶのも危なっかしいので、足りない知識やスキルについては事業を進める傍らコスパと効率を意識して勉強していくしかない。

 

彼らは言う。福岡は地域的にはITは盛んな方で、デジタルハリウッドヒューマンアカデミーグロービスもあり、学びの選択肢は元から豊富だ。

 

ただ起業準備中の方にとって、自分の時間とお金は、唯一と言って良い資産。

数ヶ月から1年のプログラムに入学して資格を身につけてからでは事業の立ち上げは間に合わないし、そんなお金はセーブしたい。

 

だから数千円の参加費で単発で実務的なスキルが学べる機会には積極的だ。

いや積極的を超えてハングリーという言葉の方が正しく思える。

だってそれは事業が、自分と家族の今後人生がかかっているから。

その意欲は、ストレートで、純粋で、パワフルだ。

質問の仕方から、ああこの人はこれを明日から実際に実践で使おうと思っているな、というのが伺える。こういうのをガチというのか。本当に素晴らしい。 

 

スキルだけじゃない。懇親タイムもとても積極的。やっぱり起業していると、同じステージにいる人と話して情報交換したり刺激を受けることで、また明日も頑張ろうと思えたりする。3年前に事業を一人で立ち上げようとしていた頃の自分もそうだったから、よくわかる。同世代の仲間からの刺激やインスピレーションは起業家にとって一番の燃料になる。

 

自分が懇親会でお話した50代の男性のストーリーを紹介したい。

定年より早く退職し、夫婦で自作の絵本を製作してネット販売するというビジネスを始めた。絵本自体は起業する前から少しづつ数年かけて作ってきた。

50代にして起業を決意し、ウェブを勉強してホームページを作り、メルマガを立ち上げ、SEO対策を高じてキーワードで流入を稼ぐ工夫に明け暮れる日々。

IT・ビジネスの知識をものすごい勢いで吸収している。

ストアカ受講歴は公式講座以外も入れて既に5回目。

曰く「単発3,000~5,000円でこんなに色々学べるのは圧倒的に安い」と。

こういう人は絶対成功すると思うし、そういう方に対してストアカが「スキル」という武器を選択肢として提供していることを誇りに思う。

 

講師業 = 独立・起業としてのの選択肢

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公式講座の後、夕方に別途、先生ユーザー向け交流会というイベントを開催した。これはストリートアカデミーで教えたい人のためのイベントなので、学びに来ている方とは対象者層が違うと思ったけど、念のため公式講座の受講者に同イベントの案内を告知してみたら、なんと既に複数の方がどちらのイベントにも参加予定ということが分かり、更にその場でそれを聞いたもう数名の方が「私も参加したいです!」と先生向けイベントへの参加も即決して下さるという事件が。

東京ではあまりない。ビジネススキル系講座の参加者は、企業勤めの方が多いのに対して、講師をやるのは大体フリーランスの方。学びに来た人が「誰でも先生になれるんですか。じゃ私も明日からやろう」なんてすぐに講師登録してくれるという流れは意外に少ない。

対して福岡では、ビジネススキルを学びに来ている人は圧倒的に起業・独立している人が多く、その起業・独立の業種として講師業が多いらしい(スタートアップカフェの相談員の方談)。地方では自由に教えると学ぶのユーザーは交差するのか・・・

 

スキルのシェアリングエコノミーは地方創生を後押しするか

最近良く耳にする「地方創生」というキーワード。これは地域における経済活性を目指した動きだと理解しています。僕は元々政治とか経済に疎いのでマクロ指標とか動向とかについてあまり良く知らないんだけど、でもどう考えたって地方における経済の活性化は、個人による起業の活性化なくしては難しいのではないかと思う。

 

行政や政財界、地場の有力企業などが興せることには限界がある。

自治体は支援はできるけど、最終的にはそれを踏まえて個人がどれだけやる気を持って動くかにかかっている。起業家が事業をどんどん立ち上げて新しい価値を創り出さないと、経済なんて本質的には活性化しない。

そういう意味で、僕がお会いした熱意と行動力を持った個人の方々が創り出している価値とエネルギーはすごい可能性を秘めている。

 

そしてその地に足ついた起業家を成功に導ける要素はなんだろうと考えたときに、

もちろん資金やオフィスも必要なんですが、それ以上に

 

「スキル」と「インスピレーション」

 

これらが必要なのではないかと思う。

 

特に身の丈起業においては、例えば

  • 個人でも広報ができるウェブマーケティングスキル、
  • 営業活動において相手を納得させられるプレゼンテーションスキル、あるいは
  • 事業から利益を確保するための財務分析能力  

などは、起業家の進捗やスピード感に多大なる影響を与える。

 

それらを学ぶには、周りの先輩経験者が自らの経験や保有スキルを初心者向けに教えてくれるまなびのシェアリングエコノミーの存在はとても有力。スクールに入学するよりは気軽に学べるけど、人がやるので動画やネットリサーチで自習するよりよっぽど丁寧で親切(ある意味効率的)。

 

ということで、やっぱりストアカは地方創生にはなくてはならない存在なのだ〜!

と強く感じてやる気を出した福岡出張でした。

 

福岡でお会いした皆さん、沢山のインスピレーションをありがとうございます。

2016年、ストアカは地方創生の活力となるべく、また新たなチャプターを刻みます!