まなびを自由に!Edutech起業家のブログ

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若者よ、プログラミングを学べ!

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先週のStartup Weekendに続いて今週は、株式会社ギブリーさんが主催しているDMTCという学生エンジニア向けハッカソンのEdutech版に審査員として参加して来ました。学生さんが3日間で開発したプロダクトが凄過ぎて、若者は全員プログラミングを学ぶべし!と思った今日この頃です。

 

 Edutech = Education x Technologyへの関心の高まり

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最近教育 x ITを題材にしたイベントやレポートも多く注目が高まっていると思います。

教育は、ITが必要なのに一番IT化が遅れている産業だとも言われています。

まなびへの興味や継続意思を高めるには、情報の提供だけではなく人間工学的なクリエイティブ・ソリューションが必要です。テクノロジーやデザインが人間の成長を左右する可能性を秘めているということがチャレンジしがいのある業界だとも言えます。

 

学生エンジニア向けハッカソンとは?

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DMTCは2012年から10回以上も開催されていて、IT系の学生さんの間では既にかなり認知度されているイベントらしいです。

エンジニア志望の学生さんがチームを組んで、3日間でアイデア出し、企画、プロダクトの設計から開発までを行います。通常の社会人が行うハッカソンとは違い、以下のような特徴があります。

・技術系の学生さんなら誰でも無料で参加できる

・プロダクトの企画から開発まで一連の流れを体験することが出来る

・参加者にスキルや経験が足りなくとも運営側がメンターやコーチングを提供して、プロダクトを完成させるまでサポートをしてくれる

 

またビジネスプランコンテストなどでは最終成果物としてプレゼンテーションを発表するケースが多いと思いますが、このイベントでは必ず「動くプロダクト」のデモ発表までが問われます。

自分的には参加するまでは、技術レベルがまだ高くない学生達にそこまでやらせるってちょっと要求が高過ぎるんじゃないのかと訝っていたのですが、最終プレゼンを見てその懸念は吹っ飛びました。

 

やばかったです、この学生さんたちのアウトプット。

 

学生が3日間で開発したプロダクトとは

正直度肝を抜かれました。今まで自分も数日間の起業キャンプから数ヶ月のインキュベーション・プログラムまで、様々なイベントのプレゼンを見て来ましたが、3日間でここまでの完成度は、中々無いです(あまり直接比較すると他のイベントに失礼なので名前は言いませんが・・・)

 

まず全チームが、企画のプレゼン、プラス何らかしら動くプロダクトのデモを発表し、

「あれ、動かない」

「想定ではこういう動きをする筈だったんですが・・・」

みたいな発表は一つもありませんでした。

 

動画でデモを見せていたチームもいましたが、スマホタブレットで実際に触って動くアプリを提供したチームもありました。

技術面でも3D、AR音声認識などのテクノロジーを応用したプロダクトも多かったです。

繰り返しますけど、チームは全員互いの初対面同士の学生です。使った時間は企画から開発まで3日間だけです。

自分も工学部でしたが、学生のときには毎日遊ぶことしか考えていなく「アウトプットを出そう」なんて思考はゼロでした。

 

しかも各々のチームのバックグラウンドとストーリーを聞くと更に目が点になります。

まず「プログラミングは学んだけど開発したのは初めて」という参加者が結構多かったのが驚きでした。

 

3位に入賞したチームは女性のペアだったのですが、元々3人でチームを組む筈だったのが1名が参加できなくなった為、2人だけで作ったそうです。

 

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2位のチームはアイデアを固めるのに時間がかかり過ぎて開発には最後の1日しか使えなかったとか。チーム全員ほぼ素人レベルの技術スキルで、四苦八苦しながら発表の数時間前にやっと完成させたとか。

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このアプリは中国語を学ぶために擬似的に中国人のガールフレンドとのやりとりで会話が練習出来るというアプリですが、UXの作り込みが手が込んでいて、中国語に興味の無い僕でも思わずアプリをダウンロードしたくなりました。冗談でよく言われる「英語を上手くなるには外人の彼氏・彼女作るのが早いよね」というコンセプトをそのままアプリにした感じですが、これって言ってしまえば「学びに興味を持たせる」という教育の最大の問題を解決しているってことです。企画とユーザー体験の秀逸さに脱帽です。

 

そして一位のチーム。ウェブ上から引っ張って来た情報にアノテーションを付けて自分だけのまとめノートを作れるアプリですが、画像だろうがテキストだろうが情報に対して自由にアノテーションを付けれる便利度合いがやばかったです。蛍光マーカーをウェブページに引けるような感覚。

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このチームは学生さん同士で既に会社も興しているとのことでしたが、この完成度レベルを3日で達成できるチームが1ヶ月かけたらどんなプロダクトが出来るんだろうなって想像しただけで怖くなりました。

 

この他にも全員初めてUnityで開発に取り組みながらAR技術をフル活用してカメラに映る映像を模写してスケッチが練習出来るアプリを作ったチームがいたりとか・・・。

 

当然ながら審査は難航しました。生まれて初めて審査員という立場で考えさせて頂いたのですが、どれだけ大変かが分かりました。そのチームが選ばれることで他のチームがどう思うか、この体験から何を学んで欲しいか。色々考えて白熱した議論を重ねた末、本当は1位しか選べないところを運営側に無理を言って審査員として3社を表彰に値するとして選出させて頂きました。

 ちなみに全チームのプロダクトについてはこちらで読むことができます:

【DMTC レポート】IT×教育-エドテックハッカソンを開催しました! | DMTC Magazine

 

彼らが何故プログラミングを初めたか 

彼らと話してみると必ずしも全員情報工学専攻の学生さんではありません。

またそもそも大学でプログラミングは学べないそうです。コンピューターサイエンスに力を入れている一部の大学を除けば、大学の授業で本当に使えるプログラミングを学べる授業がある大学はほとんどないという答えでした。

 

ちなみにこの話は日本にとって本当に国力を問われる課題と思いますね。米国のスタンフォード大学では既に一昨年からコンピュータサイエンスが全校で人気No.1の学部専攻になっていますから。

 

それで学生さんはどうしているかと言うと、やはり独学だそうです。

「友達に教わった」「ネットで学んだ」「イベントに行った」

などが良く聞いた答えでした。

 

更にプログラミングを始めた理由を聞いてみると

「友達がやっていたから」

「プロダクト作れることがカッコイイから」

「親の影響で小学生のときからHTML位はいじっていたので自然な流れで・・・」

いや素敵じゃないですか。

就職目当てでも、賞金目当てでもなく、彼らは単純にモノ作りをやってみたくて3日間泊まり込みで徹夜しながらアプリを作りに来たんですよ。

 

 若者よ、プログラミングをまなべ!

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あえて周りくどい話をします。

自分が学生だった17年位前から、プログラミングをやっている奴はいました。

ただ当時のそいつらがプログラミングで作っていたのは、CGアニメやコンピュータゲームといったマニア向けのプロダクト。つまりコンピュータをやっている奴は、世間の関心事よりも自分達が好きなものだけを作っているオタク達でした。ボランティアクラブとか生徒会とか、みんなのために尽くしているメインストリームの奴らとは対角線上にいる存在でした。

 

それが2014年現在のプログラマーが作っているのはマニア向けのものじゃない。

一般の人に使って貰えるアプリ = 世の中に役立つ製品を作っています。

今回のケースでは子供や学生の教育に役立つ製品を「好きだから」作っているんですよ。

彼らが果たして人の役に立ちたいからやっているのか、カッコイイからやっているのか、達成感があるからやっているのか、内在的なモチベーションは個人差があると思うし本当のところは分かりません。でもそれはある意味どうでも良いと思うのです。

同年代では、スポーツでも演劇でも、同じように夢中になれるものを見つけてアツくなっている学生が他でも沢山いると思いますが、プログラミングの良いところは、夢中になって作っているそのものが、直接人の役に立つものだっていうことなんですね。

自分がやっていて楽しくて同時に人の役に立てるって凄く良い事だと思うのです。

そのバランスが仕事に見い出せなくてキャリアに悩んでいる人だって沢山いるのですから・・・。

 

だから自分は、これから社会人になる全ての若者に、プログラミングを始めることをオススメします。理由は単純明快です。

1)努力次第で誰でも習得出来るスキルだから

2)それは人の役に立つものが作れるパワーを秘めているから

3)それは自己表現が出来るツールだから

 

ちなみにこう思っているのは僕だけではないようです:


"Code Stars" - Short Film - YouTube

 

最後に、折角なので宣伝!

弊社でも技術系のインターンを絶賛募集してます!

さすがにスタートアップなのでプログラミングをゼロから教育している余裕は無いのですが、ある程度技術をかじったことがあってスキルアップを目指している方、是非お声がけ下さい!

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